「各国リーグの外国人枠」
「外国人枠をどのように使うのか」は、クラブにとって非常に重要なこと。
ゴールに直結するFWやGKに使うのか?
それとも、層の薄いポジションに外国籍選手を補強するのか?
また、”特定の国”の選手が多く入団することがあったりと、「クラブのアイデンティティ」が色濃く出る部分です。
そこで気になることは、「外国人選手って何人出れるの?」ということ。
Jリーグはもちろん、欧州やアジアの近隣国など、”様々なリーグの外国人枠”をチェックしていきます!
「もっとサッカーが楽しくなる」をテーマに、ブログを書いています。
【10分以内】で、気軽に読める記事がたくさんあります。
初心者の方も、サッカー通の方も、ぜひ楽しく読んでください。


Jリーグの外国人枠
リーグ | 登録制限 | 出場制限 |
---|---|---|
J1 | 無制限 | 最大5名 |
J2 | “ | 最大4名 |
J3 | “ | “ |
ホームグロウン制度
「ホームグロウン」という制度をご存知ですか?
まずは、Jリーグの規定を見てみましよう。
「ホームグロウン選手の定義」
12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、特定のJクラブの第1種、第2種、第3種又は第4種チームに登録された期間(以下、本条において「育成期間」という。)の合計日数が990日(Jリーグの3競技会期間に相当する期間)以上である選手を、本条において当該Jクラブのホームグロウン選手という。(引用元:Jリーグ公式HP)
簡単に言うと、「ホームグロウン=クラブが自前で育てた選手」。
12~21歳までに、”3年間以上所属した選手”がホームグロウン(以下:HG)の対象選手に。
そして、各クラブには、HG対象選手の登録義務があります。
- J1:4名以上
- J2:2名以上
- J3:2名以上
この制度の意図は、「ちゃんと若手を育成していきましょうね」ということ。
U-21年代の選手が出場することで”奨励金”がもらえるという制度も存在しています。
提携している8カ国
1試合において出場できる外国籍選手の人数は、J1では5名、J2&J3では4名です。
しかし、この人数を超えることができる”裏技”も存在します。
それが、「提携国枠」。
Jリーグは、東南アジアを主とした8カ国と提携しています。
- タイ
- ベトナム
- ミャンマー
- カンボジア
- インドネシア
- マレーシア
- シンガポール
- カタール(2023年~)
東南アジアのサッカー熱は非常に高く、「Jリーグにも興味を持ってもらいたい!」ということが主な目的。
とても良い試みなので、深く触れたいところですが・・・。
大きく脱線しそうなので一旦ストップ。
今回は、「外国人枠の拡大」という観点で見ていきます。
結論。
この提携によって、5名以上の外国籍選手を起用しているクラブはほぼありません。
というのも、「日本=アジア最強格」。
2018年J1ベスト11に輝いたチャナティップや、優勝を経験したティーラトンなど、大活躍した選手がいるのは間違いありませんが・・・。
現状は、日本人選手の方が上手いので、優先して起用されるような選手は極わずか。
個人的に注目しているのは、2023年に提携国となったカタール。
アジア杯2連覇を達成した西アジアの強豪国です。
ただ、自国のサラリー(給料)がかなり良いはずなので、カタール代表級の選手がJリーグに来る可能性はやや低いかも?
ちなみに、蹴り道ブログでは、『アジアのサッカー強豪国』という記事も書いています。
こちらもぜひ読んでみてください。

アジアのリーグ
リーグ | 登録制限 | 出場制限 |
---|---|---|
Kリーグ(韓国) | 6名 | 4名 |
CHS(中国) | 7名 | 5名 |
サウジアラビアリーグ | 10名 | 8名 (+U-21が2名) |
カタールリーグ | 7名 | 5名 (+U-21が2名) |
ACLでも対戦する、アジアのライバル達。
わかってはいましたが、表にすると改めて思う。
サウジの外国人枠多いな!!!
韓国・中国はJリーグと同水準
日本の永遠のライバルでもある韓国は、Jリーグと同水準の4名。
意外だったのは、一時期”ビッグネーム”を獲得しまくり、世界を賑わせた中国の外国籍枠が5名ということ。
やっぱり、「自国の代表チーム」のことを考えたら、外国籍枠は多すぎない方が良いかも。
サウジアラビアは最大10名
2010年代の中国以上に、世界のサッカー市場を荒らしまくっているのがサウジアラビア。
特に、2024年夏の移籍市場での暴れっぷりは凄かった・・・。
その様子は、『こちら』にまとめています。
2025年現在、サウジアラビアはビッグネームだらけ。
クリスティアーノ・ロナウドや、マネ、フィルミーノなど、「サッカー好きなら絶対に知っているような選手」がゴロゴロいます。
特に、政府直下の4クラブは”外国籍8枠”をフル活用。
さらに、21歳以下の外国人は2名まで出れるという「U-21枠」も存在。
合計で、10名の外国籍選手がプレー可能です。
そのおかげで、リーグのレベルは超上がりました。
ただ、その弊害として、サウジアラビア代表選手すらも出番を失っています。
この状況が、数年後の”サウジアラビア代表”にどんな影響を及ぼすのか・・・。
ヨーロッパのリーグ
リーグ | 登録制限 | 出場制限 |
---|---|---|
プレミア | 17名 (ホームグロウン外の選手) | 特になし |
ラリーガ | 5名 (非EUの選手) | 3名 (非EUの選手) |
ブンデス | 制限なし (ドイツ人12名必須) | “ |
セリエA | 1年に2名まで追加可能 (非EUの選手) | “ |
リーグ・アン | 4名 (非EUの選手) | “ |
ベルギー | 制限なし (ベルギー人6名必須) | “ |
みんな大好き”ヨーロッパ”。
ここでは、「5大リーグ+ベルギー(日本人選手が多い)」に絞ってご紹介します。
欧州の場合、「EUの選手かどうか?」がとても重要。
そして、各国それぞれルールがあり、さらに内容もやや複雑・・・。
ここでは、ザックリとご紹介します。
EUの27カ国
「EU=欧州連合」。
2025年現在、27カ国が加盟しています。
- 🇮🇪 アイルランド
- 🇮🇹 イタリア
- 🇪🇪 エストニア
- 🇦🇹 オーストリア
- 🇳🇱 オランダ
- 🇬🇷 ギリシャ
- 🇭🇷 クロアチア
- 🇸🇪 スウェーデン
- 🇪🇸 スペイン
- 🇸🇰 スロバキア
- 🇸🇮 スロベニア
- 🇨🇿 チェコ
- 🇩🇰 デンマーク
- 🇩🇪 ドイツ
- 🇭🇺 ハンガリー
- 🇫🇮 フィンランド
- 🇫🇷 フランス
- 🇧🇬 ブルガリア
- 🇧🇪 ベルギー
- 🇵🇱 ポーランド
- 🇵🇹 ポルトガル
- 🇱🇻 ラトビア
- 🇱🇹 リトアニア
- 🇷🇴 ルーマニア
- 🇱🇺 ルクセンブルク
- 🇲🇹 マルタ
- 🇨🇾 キプロス
サッカーでよく聞く国は、ほぼEU加盟国です。
非加盟国の代表例は、🇬🇧イギリス、🇳🇴ノルウェー、🇨🇭スイス、🇷🇸セルビア、🇹🇷トルコなど。
出場制限はゆるい
上の表を見てもわかる通り、出場制限はゆるめです。
ラ・リーガ(スペイン)以外は、「登録枠に入れれば、出場制限には引っかからない」という印象です。
特に、多くの日本人選手がプレーする”ベルギーリーグ”は、「制限なし」と言っても良いレベル。
スペインに多い二重国籍
ラ・リーガの”非EU枠”を見て、「ん??」と思った方も多いのではないでしょうか?
例えば、レアルマドリードのメンバー(2024-25年)。
- ヴィニシウス(ブラジル)
- ロドリゴ(ブラジル)
- ミリトン(ブラジル)
- エンドリッキ(ブラジル)
- バルベルデ(ウルグアイ)
この時点で、非EUの選手が5名。
「じゃあ、ベリンガム(イングランド)やギュレル(トルコ)はなんで登録できるの?」って話です。
これは、「二重国籍」という制度が大きく関わっています。
この制度を用い、ヴィニシウス、ロドリゴ、ミリトン、バルベルデらは”南米の選手”でありながらも、”スペイン国籍”も取得しています。
二重国籍とは?
EU圏外の選手が、EU圏内の選手としての扱いを受けられる。
特に、”南米の選手”に対しては条件がゆるく、「スペインに2年以上滞在」という条件を満たせば国籍を取得できる。
国際大会
大会名 | 登録制限 | 出場制限 |
---|---|---|
UEFA (CL/EL/ECL) | 25名中8名がHG必須 | 制限なし |
AFC (ACL Elite) | 制限なし | 制限なし |
次は、国際大会について。
日本での注目度が高いUEFA主催の大会とACLについて見ていきます。
UEFA大会(CL・EL・ECL)
登録枠は25名。
そのうち、8名はホームグロウン選手の登録が必須です。
このルール、けっこう難しいと思いませんか??
実は、Jリーグと欧州で”ホームグロウンの定義”が異なります。
ホームグロウンの定義
・Jリーグ→自クラブで育成された選手が対象
・欧州→自国のリーグで育成された選手が対象
AFC大会(ACLE・ACL2)
これまでの外国人枠は「5+1(アジア枠)」でした。
ACL2024-25からは、「外国人枠が完全撤廃」。
いまは無制限です。
これは、「サウジのための制度では?」という見方をする方も多いです。
いや、多分そうでしょう。
まとめ
1993~2007年にかけて、Jリーグの外国人枠は「3名」でした。
2008年にアジア枠が導入され、「3+1名」に。
そして、2019年に「5名」に拡大。
Jリーグの発展と共に、外国人枠の見直しも図られてきました。
”リーグの強化”と”日本代表の強化”に関わる難しい議題ではありますが、今後はどのような変化を見せるのでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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