「歴代W杯日本代表メンバーの所属クラブ・戦績」
W杯出場回数は7回。
W杯初出場から24年がたち、日本サッカーは大きな成長を遂げました。
その成長を測るうえで一つの指標となるのが、”選手たちの所属クラブ”です。
「強いクラブでプレーする選手が増える=日本サッカーの成長」。
所属クラブで勝敗をつけるものではありません。
ただ、個々の選手の実力が高まれば、必然的に”所属クラブの格”も上がってくるものです。
今回は、歴代W杯日本代表メンバーの所属クラブと戦績についてご紹介します。
「もっとサッカーが楽しくなる」をテーマに、ブログを書いています。
【10分以内】で、気軽に読める記事がたくさんあります。
初心者の方も、サッカー通の方も、ぜひ楽しく読んでください。
歴代日本代表選手の所属クラブ
海外組の推移
W杯日本代表メンバーの”Jリーガー(国内組)と海外組の人数の推移”です。
2010年南アフリカW杯での躍進以降、海外でプレーする日本人が増加。
2014年には海外組がJリーガーの数を上回り、現在では日本代表選手の大半が海外でプレーしています。
海外はプレーの強度が非常に高く、毎日が生き残りを懸けたサバイバルです。
各選手がレベルの高い環境に身を置き、日本代表のレベルは確実に高まっています。
「日本人の技術は優れているが、試合になると海外の選手の方が活躍する」という悔しい評価をされることも多々あります。
W杯メンバーを輩出したクラブ
W杯出場選手を輩出しているJリーグチームについてです。
鹿島アントラーズが最多の16名のW杯日本代表選手を輩出。
横浜F.マリノス、ジュビロ磐田、浦和レッズも10名以上の選手をW杯へと送り出しています。
高体連orユースor街クラブ
W杯日本代表メンバーの、高校時代に所属していたチームについてです。
「ユースは温室育ちで根性がない」と言われたのは過去のもの。
2010年頃からユース出身の代表選手が増加し、現在は高体連出身選手と同程度になっています。
・高体連:高校の部活動
・ユース:Jリーグチームの下部組織
・街クラブ:地域のクラブチーム
1998年フランスW杯
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日本代表22名
・Jリーガー:22名
- GK 川口能活(横浜マリノス)
- GK 楢崎正剛(横浜フリューゲルス)
- GK 小島伸幸(ベルマーレ平塚)
- DF 名良橋晃(鹿島アントラーズ)
- DF 相馬直樹(鹿島アントラーズ)
- DF 井原正巳(横浜マリノス)
- DF 小村徳男(横浜マリノス)
- DF 服部年宏(ジュビロ磐田)
- DF 斉藤俊秀(清水エスパルス)
- DF 秋田豊(鹿島アントラーズ)
- DF 中西永輔(ジェフ市原)
- MF 山口素弘(横浜フリューゲルス)
- MF 伊東輝悦(清水エスパルス)
- MF 中田英寿(ベルマーレ平塚)
- MF 名波浩(ジュビロ磐田)
- MF 小野伸二(浦和レッズ)
- MF 森島寛晃(セレッソ大阪)
- MF 平野考(名古屋グランパス)
- FW 中山雅史(ジュビロ磐田)
- FW 呂比須ワグナー(ベルマーレ平塚)
- FW 岡野雅之(浦和レッズ)
- FW 城彰二(横浜マリノス)
初出場となったフランスW杯は、メンバー全員がJリーガー。
ブラジルやイタリアでのプレー経験のあった三浦和良選手がメンバー外になったことは大きな話題に。
世界での経験が乏しい中での、W杯初挑戦となりました。
フランスW杯メンバーの森島寛晃さん、岡野雅之さんは、現在Jクラブの社長を務めています。
【Jリーグクラブを運営する元Jリーガー】
戦績
1998年フランスW杯での成績:GL敗退
W杯初出場が3カ国同居するグループで、日本代表は3連敗。
世界との差を痛感する結果になりました。
しかし、ジャマイカ戦での中山雅史さんのゴールは、 4年後の日韓ワールドカップに向けての希望の一撃になりました。
2002年日韓W杯
Embed from Getty Images日韓W杯日本代表メンバー
日本代表23名
・Jリーガー:19名
・海外組:4名
- GK 川口能活(ポーツマス・イングランド)
- GK 楢崎正剛(名古屋グランパス)
- GK 曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)
- DF 秋田豊(鹿島アントラーズ)
- DF 松田直樹(横浜F.マリノス)
- DF 森岡隆三(清水エスパルス)
- DF 中田浩二(鹿島アントラーズ)
- DF 宮本恒靖(ガンバ大阪)
- MF 稲本潤一(アーセナル・イングランド)
- MF 服部年宏(ジュビロ磐田)
- MF 中田英寿(パルマ・イタリア)
- MF 森島寛晃(セレッソ大阪)
- MF 三都主アレサンドロ(清水エスパルス)
- MF 福西崇史(ジュビロ磐田)
- MF 小野伸二(フェイエノールト・オランダ)
- MF 小笠原満男(鹿島アントラーズ)
- MF 明神智和(柏レイソル)
- MF 戸田和幸(清水エスパルス)
- MF 市川大祐(清水エスパルス)
- FW 西澤明訓(セレッソ大阪)
- FW 中山雅史(ジュビロ磐田)
- FW 鈴木隆之(鹿島アントラーズ)
- FW 柳沢敦(鹿島アントラーズ)
「日本=サッカー後進国」と言われる中、フランスW杯後に中田英寿さんがイタリア・セリエAに挑戦。
当時世界最強リーグのセリエAでの優勝を経験し、日本人の評価を格段に高めました。
また、オランダに渡った小野伸二選手はUEFAカップ(現・ヨーロッパリーグ)で優勝。
元世界的ストライカーのファン・ペルシーは「小野以上に上手い選手を見たことがない」とコメントしています。
戦績
2002年日韓W杯での成績:ベスト16
史上初の開催国のGL敗退が不安視される中、日本は2勝1分で首位突破。
ベスト16でトルコ代表に敗れたものの、サポーターの大歓声を受けて大躍進。
日本中が熱狂し、日本のサッカー人気に火をつけました。
2006年ドイツW杯
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日本代表23名
・Jリーガー:17名
・海外組:6名
- GK 楢崎正剛(名古屋グランパス)
- GK 土肥洋一(FC東京)
- GK 川口能活(ジュビロ磐田)
- DF 茂庭照幸(FC東京)
- DF 駒野友一(サンフレッチェ広島)
- DF 宮本恒靖(ガンバ大阪)
- DF 中田浩二(バーゼル・スイス)
- DF 三都主アレサンドロ(浦和レッズ)
- DF 坪井慶介(浦和レッズ)
- DF 加持亮(ガンバ大阪)
- DF 中澤佑二(横浜F.マリノス)
- MF 遠藤保仁(ガンバ大阪)
- MF 中田英寿(ボルトン・イングランド)
- MF 小笠原満男(鹿島アントラーズ)
- MF 中村俊輔(セルティック・イングランド)
- MF 福西崇史(ジュビロ磐田)
- MF 稲本潤一(ウェストブロミッジ・イングランド)
- MF 小野伸二(浦和レッズ)
- FW 高原直泰(ハンブルガーSV・ドイツ)
- FW 巻誠一郎(ジェフ千葉)
- FW 柳沢敦(鹿島アントラーズ)
- FW 大黒将志(グルノーブル・フランス)
- FW 玉田圭司(名古屋グランパス)
海外でプレーする選手が増え、”海外組”という言葉が使われるようになりました。
特に、中田・小野・中村・稲本の黄金の中盤は世界を舞台に戦い、日本でも大きな人気を誇りました。
戦績
2006年ドイツW杯での成績:GL敗退
黄金世代が全盛期を迎え、国民からも大きく期待された日本代表。
結果はまさかの2敗1分でGL敗退。
特に、ブラジル戦では先制点を奪ったものの、その後4失点。
世界トップとの実力の差を見せつけられました。
2010年南アフリカW杯
Embed from Getty Images南アフリカW杯メンバー
日本代表23名
・Jリーガー:19名
・海外組:4名
- GK 楢崎正剛(名古屋グランパス)
- GK 川島永嗣(川崎フロンターレ)
- GK 川口能活(ジュビロ磐田)
- DF 駒野友一(ジュビロ磐田)
- DF 田中マルクス闘莉王(名古屋グランパス)
- DF 長友佑都(FC東京)
- DF 内田篤人(鹿島アントラーズ)
- DF 岩政大樹(鹿島アントラーズ)
- DF 今野泰幸(FC東京)
- DF 中澤佑二(横浜F.マリノス)
- MF 阿部勇樹(浦和レッズ)
- MF 遠藤保仁(ガンバ大阪)
- MF 松井大輔(グルノーブル・フランス)
- MF 中村俊輔(横浜F.マリノス)
- MF 中村憲剛(川崎フロンターレ)
- MF 長谷部誠(ヴォルフスブルク・ドイツ)
- MF 本田圭佑(チェスカモスクワ・ロシア)
- MF 稲本潤一(川崎フロンターレ)
- FW 岡崎慎司(清水エスパルス)
- FW 玉田圭司(名古屋グランパス)
- FW 矢野貴章(アルビレックス新潟)
- FW 大久保嘉人(ヴィッセル神戸)
- FW 森本貴幸(カターニア・イタリア)
ドイツW杯の中心を担った黄金世代がベテランとなり、海外でプレーする選手も4人と少なくなりました。
予選は突破したものの、直前の試合ではまるで結果が出ず。
日本史上最も期待されていなかった日本代表です。
戦績
2010年南W杯での成績:ベスト16
直前に戦術を変更し、守備的な布陣で挑んだ日本代表。
作戦が的中し、GLでは2勝1分の2位突破。
ベスト16ではPK戦の末敗れたものの、日本サッカーの飛躍・人気を取り戻す結果となりました。
2014年ブラジルW杯
Embed from Getty Images日本代表23名
・Jリーガー:11名
・海外組:12名
- GK 川島永嗣(スタンダールリエージュ・ベルギー)
- GK 西川周作(浦和レッズ)
- GK 権田修一(FC東京)
- DF 内田篤人(シャルケ・ドイツ)
- DF 酒井高徳(シュツットガルト・ドイツ)
- DF 長友佑都(インテル・イタリア)
- DF 森重真人(FC東京)
- DF 今野泰幸(ガンバ大阪)
- DF 伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
- DF 酒井宏樹(ハノーファー・ドイツ)
- DF 吉田麻也(サウサンプトン・イングランド)
- MF 遠藤保仁(ガンバ大阪)
- MF 青山敏弘(サンフレッチェ広島)
- MF 山口蛍(セレッソ大阪)
- MF 長谷部誠(ニュルンベルク・ドイツ)
- FW 本田圭佑(ACミラン・イタリア)
- FW 清武弘嗣(ニュルンベルク・ドイツ)
- FW 岡崎慎司(マインツ・ドイツ)
- FW 香川真司(マンチェスターユナイテッド・イングランド)
- FW 柿谷曜一朗(セレッソ大阪)
- FW 大久保嘉人(川崎フロンターレ)
- FW 大迫勇也(1860ミュンヘン・ドイツ)
- FW 齋藤学(横浜F.マリノス)
海外でプレーする選手が半数以上で、なおかつマンチェスターUやインテル、ACミランなどのビッグクラブに所属する選手も。
本田圭佑・香川真司のダブルエースを中心にパスサッカーを披露。
”俺たちのサッカー”でオランダやベルギーを倒すなど、史上最も期待されたW杯でした。
戦績
2014年ブラジルW杯:GL敗退
最も期待されたW杯は、2敗1分であっけなく幕を閉じました。
「W杯前の合宿地選びが間違っていた」という指摘も多く、コンディション調整がうまくいかず。
学びはあったものの、痛すぎる代償を払いました。
2018年ロシアW杯
Embed from Getty Images日本代表23名
・Jリーガー:8名
・海外組:15名
- GK 川島永嗣(メッス・フランス)
- GK 東口順昭(ガンバ大阪)
- GK 中村航輔(柏レイソル)
- DF 植田直通(鹿島アントラーズ)
- DF 昌子源(鹿島アントラーズ)
- DF 長友佑都(ガラタサライ・トルコ)
- DF 遠藤航(浦和レッズ)
- DF 酒井宏樹(マルセイユ・フランス)
- DF 槙野智章(浦和レッズ)
- DF 酒井高徳(ハンブルガーSV・ドイツ)
- DF 吉田麻也(サウサンプトン・イングランド)
- MF 本田圭佑(パチューカ・メキシコ)
- MF 柴崎岳(ヘタフェ・スペイン)
- MF 原口元気(デュッセルドルフ)
- MF 香川真司(ドルトムント・ドイツ)
- MF 宇佐美貴士(デュッセルドルフ・ドイツ)
- MF 乾貴士(ベティス・スペイン)
- MF 山口蛍(セレッソ大阪)
- MF 長谷部誠(フランクフルト・ドイツ)
- MF 大島僚太(川崎フロンターレ)
- FW 岡崎慎司(レスター・イングランド)
- FW 武藤嘉紀(マインツ・ドイツ)
- FW 大迫勇也(ブレーメン・ドイツ)
W杯本大会出場が決まった後、中心選手たちとの確執が噂されていたハリル・ホジッチ監督が電撃解任。
後任の西野朗監督は、”サプライズなし”のメンバー選出。
ブラジルW杯の雪辱を果たすため、経験豊富なメンバーと共にロシアへと向かいました。
戦績
2018年ロシアW杯での成績:ベスト16
前回大会で完膚なきまでに敗れたコロンビアにリベンジ成功。
1勝1分1敗でGLを突破しました。
ベスト16ではFIFAランク3位のベルギーを相手に2点を先制。
”ベスト8”が目の前に届きながらも、悔しすぎる大逆転負け。
しかし、日本が強豪国と対等に戦えることを世界中に見せつけました。
2022年カタールW杯
Embed from Getty Images日本代表26名
・Jリーガー:7名
・海外組19名
- GK 川島永嗣(ストラスブール・フランス)
- GK 権田修一(清水エスパルス)
- GK シュミット・ダニエル(シント=トロイデン・ベルギー)
- DF 山根視来(川崎フロンターレ)
- DF 谷口彰悟(川崎フロンターレ)
- DF 板倉滉(ボルシアMG・ドイツ)
- DF 長友佑都(FC東京)
- DF 冨安健洋(アーセナル)
- DF 酒井宏樹(浦和レッズ)
- DF 吉田麻也(シャルケ・ドイツ)
- DF 伊藤洋輝(シュツットガルト・ドイツ)
- MF 遠藤航(シュツットガルト・ドイツ)
- MF 柴崎岳(レガネス・スペイン)
- MF 堂安律(フライブルグ・ドイツ)
- MF 三笘薫(ブライトン・イングランド)
- MF 南野拓実(モナコ・フランス)
- MF 久保建英(レアルソシエダ・スペイン)
- MF 守田英正(スポルティング・ポルトガル)
- MF 伊東純也(スタッドランス・フランス)
- MF 鎌田大地(フランクフルト・ドイツ)
- MF 田中碧(デュッセルドルフ・ドイツ)
- MF 相馬勇紀(名古屋グランパス)
- FW 浅野拓磨(ボーフム・ドイツ)
- FW 町野修斗(湘南ベルマーレ)
- FW 上田綺世(セルクルブルッヘ・ベルギー)
- FW 前田大然(セルティック・スコットランド)
海外組の比率は7割超え。
東京五輪世代の若手が数多くメンバー入りし、W杯経験者は少数。
森保JAPANへの風当たりは強く、期待の声は圧倒的に少ない状況でした。
戦績
2022年カタールW杯での成績:ベスト16
優勝候補のドイツ・スペインに大金星。
「死の組」を首位突破し、世界中からの注目を集めました。
日本国内でも、大会前がウソのような大フィーバー。
ベスト8まで、あと一歩でした。
まとめ
サッカーの試合では所属クラブや実績は一切関係ありません。
ですが、”サッカーが上手い選手ほど強いチームに所属している”ことは事実です。
W杯を見ていても、フランスやブラジルといった優勝候補のチームはビッグクラブに所属している選手ばかり。
日本代表も、間違いなくサッカー強豪国へと近づいています。
かつて、中田英寿さんが海外への道を切り拓き、日本人選手が海外で評価される時代が訪れました。
現在では、海外で結果を残しても日本代表に入れない選手も大勢います。
「日本で結果を残した選手が海外に渡り、新たな選手が頭角を表す。」
このサイクルを続けていくことで、いつの日か日本代表が世界の頂点に立つ時がくるかもしれません。
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